2007年8月30日木曜日

「おもちゃの反乱」 15分 チェコ 1946 監督 ヘルミナ・ティルロバ

★ナチによるチェコ占領時代を回想した作品。

 小さなおもちや工房に進入した横暴な男に、抵抗して戦うおもちやたちの大活躍。人形の世界に実写の人間が侵入するという手法で、ティルロヴァはナチス侵略時代の恐怖と抵抗した人々への共感を際ただせることに成功しています。人形たちの活躍に、思わず拍手。
ヘルミナの作家としての姿勢が、良く理解できる作品です。

★この作品を見るには
VHS:Vol 3 チェコ・アニメーション 発売元 レーザー・ディスク㈱

「結んだハンカチ」15分 チェコ 1958年 監督 ヘルミナ・ティルロバ
★やわらかなハンカチが命を吹き込まれて動き出す。そして、壊れた流しの蛇口が作り出す日常の騒動。女性監督ならではの生活感あふれた作品です。さわやかで、清潔感あふれる楽しさで見せます。「おもちゃに反乱」同様に、こちらにも実写の少年が登場しますが、ハンカチの人形となんの違和感なく見せるヘルミナの技術に感心します。

 そういえば、日本にもテルテル坊主があったけど、テルテル坊主が動き出すとどんな事件になるのかなぁ・・・などと思わせる楽しい人形アニメです。

★この作品を見るには
VHS:Vol 3 チェコ・アニメーション 発売元 レーザー・ディスク㈱ 

DVD:ヘルミナ・テルロバ「結んだハンカチ」その他の短編集 発売元 コロンビア

上の二つの作品は、ともに子どもから大人までが楽しめます。


ヘルミナ・ティルロヴァ Hermina Tyrlova(1900~)
 ヘルミナ・ティルロヴァ は、チェコアニメーション創始者カレル・ドダルの妻だそうですが、それよりもなによりも、子どもたちのために斬新なスタイルでアニメーションを作り出した巨匠として知られています。 彼女は、伝統的な人形アニメなどにこだわらず、おもちゃ、毛糸玉や銀紙、木片、ハンカチ、タオル、などといった子どもの周辺に身近にあるものを活用して優れた作品をいくつも作り出しています。
 戦時中の1941年に人形アニメーション『われら蟻族(アリのフェルダ)』の制作で、アニメ作家としてスタートしています。(有)


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